ピアノがもっと楽しくなる!音楽理論で「才能」を補おう

「音楽理論」と聞くと、
なんだか難しくて、音楽の楽しさを奪ってしまうもの──
そんなイメージを持っていませんか?

「キー」「ダイアトニックコード」などの言葉に、つい身構えてしまう。
ピアノを弾くのは好きだけれど、理論はちょっと苦手……
そんな方は、とても多いと思います。

でも、もし音楽理論が
音楽という美しい言語を読み解くための“秘密の暗号”だとしたらどうでしょう?

理論は、才能がある人のためのものではありません。
才能を“補ってくれる”ための、心強い味方なのです。

今回は、MISIA「アイノカタチ」を例に、
動画とともに「理論を演奏にどう活かすか」についてお話しします。


1. なぜ「キー(調)」が重要なのか

― 曲の構造が見えると、演奏は一気にラクになる

キーが分かると、曲の流れが見え、「次に何を弾けばいいか」を予測できるようになります。

音楽を学ぶと必ず出てくる「キー(調)」。
これは試験のための知識ではなく、演奏を簡単にするための道具です。

キーが分かると、その曲で主に使われるコードの集まり、
いわば「レギュラーメンバー」が見えてきます。
それがダイアトニックコードです。

多くのポップスは、このダイアトニックコードを中心に作られています。
キーが分からないと、

  • どんなコードが出てきそうか

  • 今どこに向かっているのか

といった曲の構造そのものが見えません。

逆に言えば、
キーが分かれば、次に来るコードを予測するヒントが手に入ります。

私は絶対音感を持っていません。
それでも、理論を理解した上で曲を聴くことで、
コードの耳コピができるようになりました。


2. コードの「性格」はキーが変わっても同じ

― 覚えるのは、たった1つのパターン

12個のキー分のコードを暗記する必要はありません。覚えるのは、1つの並び方だけです。

「コードって、いくつ覚えればいいんですか?」
これは本当によく聞かれる質問です。

「キーが12個あるなら、12倍覚えないといけないのでは?」
そう思ってしまいますよね。

でも、理論を知れば心配はいりません。

実は、どのメジャーキーでも
ダイアトニックコードの“性格”は同じパターンなのです。

メジャースケール上にできるセブンスコード(4和音)は、
次のような決まった役割を持っています。

ⅠM7、Ⅱm7、Ⅲm7、ⅣM7、Ⅴ7、Ⅵm7、Ⅶm7♭5

ダイアトニックコード4和音

  • 1度(I)・4度(IV):メジャーセブンス

  • 2度(II)・3度(III)・6度(VI):マイナーセブンス

  • 5度(V):ドミナントセブンス

  • 7度(VII):マイナーセブンス・フラットファイブ

キーがCでもGでもFでも、
この並び方は変わりません。

つまり、
12個のキーを丸暗記する必要はなく、この1パターンを理解すればOKなのです。

覚えるコツは、

  • ドミナントセブンスは「5度」だけ

  • マイナーセブンス♭5は「7度」だけ

という“特徴的な場所”に注目すること。

この視点があると、
ダイアトニックから外れたコードが出てきたときに
「ここ、何か特別な響きを狙っているな」と気づけるようになります。


3. 暗号解読!調号から一瞬でキーを見抜く方法

楽譜に並んだ♯や♭は、キーを教えてくれる「暗号」ではなく、実はとても親切なヒントです。

ただし、このパターンを使うには
「1度がどれか」を知る必要があります。

そこで大切なのが、"調号(シャープ・フラット)"です。

一見すると難しそうですが、
実はとてもシンプルなルールがあります。

シャープ(♯)系の場合

最後(一番右)についたシャープの音が「7番目」。
その半音上がキーです。

例:♯が2つ(ファ♯・ド♯)
→ 最後のド♯が7番目
→ 半音上はレ
→ キーはD(ニ長調)

※ミ♯の場合は「ミの半音上」と考えるのがポイントです。

フラット(♭)系の場合

最後についたフラットの音が「4番目」。
そこから4→3→2→1と下がるとキーにたどり着きます。

例:♭が2つ(シ♭・ミ♭)
→ ミ♭が4番目
→ ミ♭→レ→ド→シ♭
→ キーはB♭(変ロ長調)

「キー=鍵」。
まさに、楽譜を読み解くための秘密の解読キーです。

🔽調号について詳しくはこちら


4. 同じコードでも表情が変わる

― 半音で下がるラインという魔法

音を半音動かすだけで、1つのコードが驚くほど豊かな表情を持ち始めます。

コード進行を一気に洗練させる、
シンプルで美しいテクニックがあります。

それが、構成音を半音ずつ動かすラインです。

例えばGコード。

G→GM7→G7のライン ソ→ファ#→ファ

  • G (ソ)

  • G△7(ファ♯)

  • G7(ファ)

ルートはGのままですが、
「ソ → ファ♯ → ファ」という
なめらかな下降ラインが生まれています。

これは、

  • ルートのオクターブ上

  • メジャーセブンス

  • ドミナントセブンス

というコードの性格そのものを使った動きです。

Dreams Come True「LOVE LOVE LOVE」のイントロなど、
多くの名曲で使われています。

半音の動きには、人の心を引きつける特別な力があります。
1つのコードでも、ぐっと表情が変わるのです。


5. 「絶対音感」がなくても!

― 相対音感と理論が、音楽を深くする

音楽を理解する力は生まれつきではなく、後から育てることができます。

絶対音感に憧れる方は多いと思います。

でも、
ハーモニーやコード進行を理解するうえで本当に大切なのは
相対音感です。

  • 絶対音感:音を単独で「ド」「ソ」と当てる力

  • 相対音感:音同士の関係、役割を理解する力

実は、私の周りのピアノの先生で
絶対音感を持っているのに
コード進行を捉えるのが苦手な方が少なくありません。

音を「点」で聞いてしまい、
コード同士の流れとして捉えにくいのです。

大人になってから絶対音感を身につけるのは難しい。
でも、相対音感は育てられます

そして、その最大の味方が音楽理論です。

難しい知識だと思っていた理論が、
あなたの音楽を支える“地図”になってくれるはずです。

まとめ:理論は、音楽を楽しむための「地図」

理論は難しい知識ではなく、「迷わず弾くため」の道しるべです。

「理論を、なぜ学ぶのか?」

その答えは、とてもシンプルです。

理論が分かると、
耳コピは当てずっぽうの作業ではなくなります。
キーやコードの役割が見えることで、
「次に来そうな音」を予測しながら聴けるようになり、
圧倒的に楽になるのです。

また、コードを
単なる“押さえ方”ではなく、
曲の中での役割として捉えられるようになります。

「今は落ち着く場所」
「ここは盛り上げるところ」
「次に進みたがっているコード」

そんな流れが見えると、
アレンジや即興も、特別な才能ではなく
自然な選択の積み重ねになります。

たとえば、
「半音で下がるラインは、きれいに聴こえる」
これも理論で説明できる、音楽の大切なルールのひとつです。

理論が「難しい」と感じられるのは、
ルールが複雑だからではありません。
全体像が見えないまま、断片的に覚えようとするからです。

実際の音楽理論は、
驚くほど規則的で、シンプルな仕組みに基づいています。

その仕組みが見えた瞬間、
理論は「覚えるもの」から
「使えるもの」へと変わります。

理論は、才能のある人のためのものではありません。
音楽をもっと理解したい、
もっと自由に楽しみたい、
そんな想いを持つすべての人の味方なのです。

ここまで読んでくださった方へ

「理論の話、なんとなく分かる気がするけど
実際に自分の演奏でどう使えばいいの?」

そう感じた方もいらっしゃるかもしれません。

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