「え、そうなの?」音楽の常識が変わる、コード理論の意外な事実4選

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はじめに・・

音楽が好きで、もっと深く楽しみたいけれど、「音楽理論」と聞くと、なんだか難しそう、才能がないと無理かも…と感じていませんか?お気に入りの曲がなぜ心地よく響くのか、なぜ切ない気持ちにさせるのか、その秘密を知りたいと思ったことはないでしょうか。

実は、音楽理論は複雑なルールをひたすら暗記する学問ではありません。むしろ、音と音の間で繰り広げられる「物語」や「ドラマ」を理解するための、とても強力なツールなのです。特にコード(和音)は、それぞれが特定の役割…つまり「機能」を持っていて、まるで演劇の登場人物のように音楽の流れを導いています。物語の安心できる『家』のような存在や旅立ちを促す冒険的な存在、そして緊張感を生み出すトリックスターのような存在がいるのです。

コードを知ることで、あなたの音楽の聴き方が変わってしまうかも!?

今回は、コード理論の世界から4つの「えっ、そうなの?」と思う事実をご紹介します。

1. コードは「ドラマの役者」?キーによって役割が変わる不思議

音楽を一つの「ドラマ」だと考えてみましょう。どんなドラマにも、主役、脇役、物語をかき乱す役など、様々な登場人物がいますよね。実はコードも同じです。あるキー(調)には、そのキーに属する「ダイアトニックコード」と呼ばれるコードのファミリーが存在します。これらが、そのキーというドラマの主要なキャストたちです。

驚くかもしれませんが、コードの役割は一つに固定されていない、ということです。例えば、Cmaj7というコードは、キーがCメジャー(ハ長調)のドラマでは、物語の中心となる安定した「主役」(トニック)の役割を担います。しかし、キーがGメジャー(ト長調)のドラマに登場すると、主役はGmaj7になり、Cmaj7は物語に彩りを加える「脇役」(サブドミナント)へと役割を変えるのです。(キーがGの音階はG-A-B-C-D-E-F#で構成されており、Cはその4番目の音。そのため、Cmaj7はキーGにおいて4番目のコード、つまりサブドミナントになるのです。)

なぜこれが重要なのでしょうか?それは、コードを単独の響きとしてではなく、そのキーというドラマの中での役割を理解することが、音楽の物語を深く味わうための鍵となるからです。

自分 の 推し の 俳優 さん が いつ も 主役 で は ない です よ ね 。その ドラマ の 中 で 役割 が 分かっ て い ない と 話 の 筋 が つめ なく なっ て しまい ます それ と 同じく コード の 持つ 役割 を 理解 する こと は 曲 の 理解 に つがる の です。

2. 日本の食卓にバナナがあるくらい当たり前?「キーにないはずのコード」

ダイアトニックコードがドラマの「メインキャスト」だとすれば、時々、物語を面白くするために「ゲスト俳優」が登場することがあります。音楽の世界でも、本来そのキーには属さないはずのコードが、ごく自然に使われることが頻繁にあるのです。

その代表格が「IVm(4度マイナー)」というコードです。このコードを理解するために、ジャズピアニストの中島久恵さんが提唱した、ある素晴らしい比喩があります。それは「バナナ」です。

バナナ は 日本 の 気候 で は 育た ない 果物 の はず な の に スーパー に 行け ば 普通 に 売っ てる し なん なら 一家 に 1 本 と いう 感じ の 果物 です 。そんな バナナ の よう な 存在のIVm(4度マイナー)、忘れ ない で ください ね。

メジャーキーにとって、IVm(4度マイナー)は本来「外国産」のコードです。しかし、日本のポップミュージックではあまりにも頻繁に使われるため、まるで日本の食卓にあるバナナのように、誰もが当たり前の響きとして受け入れています。

これは「ノンダイアトニックコード」と呼ばれる「サプライズゲスト」の一例にすぎません。こうしたゲストたちが、曲に独特の風味や切ない感情を加えてくれるのです。

3. 「禁じられた動き」がブルースの魂?ルールを破るからこそ生まれるエネルギー

クラシック音楽を基礎とする伝統的な音楽理論には、コードがどのように進むべきかについての原則が存在します。その中には「禁則」と呼ばれる、避けるべきとされる進行があります。特に、不安定な状態から安定へ向かおうとするドミナント(V)から、サブドミナント(IV)へ直接進む動きは、その代表的な「禁じられた動き」とされてきました。

ところが、あの有名な「ブルース進行」は、まさにこのルールを意図的に破ることで成り立っています。ドミナント(V)のコードは、まるでピンと張られた輪ゴムのように、緊張感を持ち、「故郷」であるトニック(I)に帰りたがる強い性質を持っています。しかしブルース進行では、その期待を裏切り、サブドミナント(IV)へ進みます。この「お約束」を破るひねりが、聴き手に衝撃を与え、ブルース特有の生々しいエネルギーを生み出すのです。

禁則 を あえて やる ところ に エネルギー を 感じ ます。

音楽は、ルールに従うだけでなく、時にそれを打ち破ることで、新しい表現を獲得してきたのです。

4. J-POPの名曲はだいたいコレ?古代から続く「カノン進行」の魔法

こちらは、音楽史上、最も有名で、最も広く使われているコード進行の一つ「カノン進行」です。その名の通り、パッフェルベルの「カノン」を元にしたこの進行は、度数で表すと1-5-6-3-4-1-4-5というパターンを持っています。

驚くべきことに、J-POPを含む数えきれないほどのヒット曲が、このカノン進行、あるいはその変形をベースに作られています。「またこのパターンか!」と思うかもしれませんが、それだけ人の心を惹きつける普遍的な力を持っているのです。古代のクラシック音楽が、現代のポップスと直接繋がっていると知ると、なんだかワクワクしませんか?

この進行にはもう一つ、見つけやすい特徴があります。それはベースラインも含むメロディーのラインが「ド→シ→ラ→ソ…」と順番に下がってくる傾向があることです。もし曲を聴いていてこの滑らかな下降ラインに気づいたら、それはカノン進行かもしれません。(ビートルズの『Let It Be』のベースラインや、多くの卒業ソングを思い浮かべてみてください。あのどこか懐かしくも感動的な響きは、この下降ラインの魔法なのです。) この知識は、好きな曲を耳でコピーして演奏したい(耳コピ)時に、非常に強力な武器になります。

まとめ

音楽理論とは、堅苦しいルールのことではなく、壮大なドラマを読み解くための脚本のようなものです。今回見てきたように、同じコードでも舞台(キー)が変われば役割を変える名優がいて、時には意外なゲストが物語を切なく彩り、常識というルールを破ることで魂を揺さぶるエネルギーが生まれ、そして、時代を超えて愛され続ける王道のストーリー展開(例えばカノン進行)が存在するのです。

次にあなたがお気に入りの曲を聴くとき、ぜひコードたちの間で繰り広げられる「ドラマ」に耳を澄ませてみてください。きっと、今まで気づかなかった新しい物語が聴こえてくるはずです。

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