クラシックとポップスの演奏は何が違う?楽譜通りに弾くだけでは「なんか違う」理由

ポップスをピアノで弾いてみたいと思って楽譜を買い、練習してみたものの、
「ちゃんと楽譜通りに弾いているのに、なんかカッコよくない」
「原曲とずいぶん違って聴こえる……」
そんな経験はありませんか?
実は、クラシックとポップスでは、演奏するときの考え方に少し違いがあります。
もちろん、どちらも楽譜を読むこと、音を聴くこと、表現することが大切なのは同じです。
ただ、ポップスの場合は、楽譜に書かれている音をそのまま弾くだけでは、原曲らしさを再現できないことがあります。
今回はクラシックとの違いを考えながら、ポップスをピアノでカッコよく弾くための、バッキングやリズムの基本をご紹介します。
クラシックとポップス、演奏の考え方は何が違う?
クラシックでは、楽譜に書かれた内容を深く読み取り、演奏として表現していきます。
ただ音符を正確に弾けばいいわけではありません。
作曲家について調べたり、その時代の音楽について学んだり、楽譜に書かれたさまざまな情報から「どんな音楽なのか」を読み取ったり。
本当の意味で「楽譜を読む」ためには、たくさんのことを考える必要があります。
では、ポップスはどうでしょうか。
ポップスの場合、そもそも原曲がピアノ曲ではないことが多いですよね。
歌があり、ドラムがあり、ベースがあり、ギターがあり、キーボードがある。
それらが合わさって、一つの曲ができています。
そのため、メロディーを間違えずに弾き、楽譜に書かれた伴奏を正確に弾いても、
「原曲となんか違う」
ということが起こります。
当然といえば当然です。
ピアノ一台で、ドラムやベース、ギターとまったく同じ音を出すことはできないのですから。
では、どうすればいいのでしょうか?
大切なのは、
同じ音を出すことではなく、違う楽器で弾いても「原曲らしく聞こえる」ようにすること。
ポップスをピアノで弾くときは、アレンジするときも、実際に演奏するときも、この考え方がとても大切になります。
ポップスをカッコよく弾くために大切なこと
ポップスをカッコよく弾くというと、
「もっと難しいアレンジを弾かなければ」
「音をたくさん入れなければ」
と思うかもしれません。
でも、必ずしもそうではありません。
音数が少なくても、ポップスらしい演奏はできます。
まず大切にしたいのは、
- メロディーを歌うように弾くこと
- バッキング(伴奏)でノリを作ること
です。
メロディーは「歌」を意識する
ポップスのメロディーは、多くの場合、もともとは歌です。
ですからピアノで弾くときも、ただ音符を並べるのではなく、
「実際に歌ったら、どこで息を吸う?」
「どの言葉を強く歌っている?」
「どこへ向かってフレーズが進んでいる?」
と、原曲の歌をよく聴いてみましょう。
楽譜だけではわからなかったニュアンスが、たくさん見つかるはずです。
バッキングは「リズム隊」を意識する
そして、ポップスではバッキングがとても重要です。
ピアノ一台で演奏する場合、ピアノのバッキングが、ドラムやベース、ギターなどの「リズム隊」の役割まで担うことになります。
ここで大切なのは、原曲の細かいリズムをすべてピアノで真似することではありません。
曲全体にどんなビートが流れているのか。
まずはそこを聴き取ることです。
これはクラシックでも同じです。
たとえば、同じ3拍子でもワルツとメヌエットではノリが違いますよね。
音数の少ない簡単な曲でも、その音楽らしいノリは表現できます。
ポップスも同じです。
難しい伴奏を弾くことよりも、まずは身体の中にその曲のビートを感じられるようにすることが大切なのです。
ポップスピアノの左手は「低音とビート」が基本
クラシックピアノでは、特に初級〜中級くらいまで、
「右手がメロディー、左手が和音などの伴奏」
という形を経験することが多いと思います。
一方、ポップスでは、
左手が低音とビートを担当し、右手がコードやメロディーを担当する
という形が基本になります。
もちろん、左手でコードを弾くこともあります。
ただ、ポップスのコード奏法をこれから身につけるのであれば、まずは右手でコードを弾くことに慣れていきましょう。
コードは1つずつではなく「進行」で覚える
コードを覚えるとき、
C=ド・ミ・ソ
G=ソ・シ・レ
というように、一つずつ覚えていませんか?
もちろん最初はそれでもよいのですが、実際の曲ではコードは一つだけでは出てきません。
そこで、「コード進行」として流れで覚えることが大切です。
コード進行とは、曲の中でコードがどのような順番で移り変わっていくのかを示したものです。
ポップスには繰り返し使われるコード進行がたくさんあります。
代表的なものの一つが「カノン進行」です。
Key=Cなら、
C → G → Am → Em → F → C → F → G
となります。
こうしたよく使われるコード進行は、コードネームだけでなく、響きや手の動きと一緒に覚えるのがおすすめです。
コードチェンジそのものが身体に入ってくると、実際の曲でも使いやすくなります。
まずはルートから始めよう
左手は、まずコードのルート(根音)を弾くところから始めます。
CコードならCの音。
AmコードならAの音。
これだけでも曲の低音を支えることができます。
慣れてきたら、
ルート → 5度 → ルート
など、少しずつ動きを加えていきましょう。
このとき、左手の低い音域で和音をたくさん弾くと、音が濁ってしまうことがあります。
「左手=コード全部を弾く」と考えず、まずは低音で曲の土台を作る、と考えてみてください。
ポップスらしいノリを作るバッキングの基本
では、バッキングでは何から練習すればよいのでしょうか。
まず身につけたいのが、8ビートの定番パターンです。

また4拍子のポップスでは、16ビートでも8ビートでも、2拍目と4拍目のスネアドラムを意識することがとても大切です。
ピアノだけを弾いていると、ついつい1拍目と3拍目に重みがかかってしまうことがあります。
アルペジオを弾くときも同じです。
原曲のドラムを聴きながら、
「2拍目、4拍目をどんなふうに感じているかな?」
と意識してみてください。
まずは8ビートの定番パターンを一つ、しっかり身体に入れる。
そして、好きな曲のコード進行を使って、ノリを意識しながら練習してみましょう。
楽譜を「弾くもの」から「分析するもの」へ
ポップスピアノが難しく感じる理由の一つは、
右手と左手の役割がいつも同じではないこと
にあります。
右手でメロディーを弾くこともあれば、コードを弾くこともある。
右手でメロディーとコードを同時に弾くこともあります。
左手も、ベースを担当したり、リズムを作ったり、ときにはコードを弾いたりします。
つまり、
「右手はこれ、左手はこれ」
と単純には分けられないのです。
そのため、市販のピアノ楽譜を見ても、
「この音は、原曲の何を表しているんだろう?」
ということがわからないまま弾いていると、難しく感じることがあります。
そこでおすすめなのが、楽譜をいきなり弾くのではなく、まず分析してみることです。
原曲を聴きながら楽譜を見て、
「この低い音はベースかな?」
「ここはギターのリズムを表しているのかな?」
「このアクセントはドラムから来ているのかな?」
と考えてみてください。
すると、ただ音符として見ていたものが、
「原曲のどの部分をピアノに置き換えたものなのか」
として見えるようになってきます。
そうすると楽譜も弾きやすくなりますし、少しずつアレンジの仕組みもわかるようになってきます。
そして、いずれは楽譜がなくても、
「この曲なら、こんなふうに弾いてみよう」
と、自分で考えて弾けるようになる。
これが、ポップスピアノの面白さだと思います。
何から始めればいいかわからない方へ
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これまでのピアノ経験や、どんな曲をどんなふうに弾きたいのかを伺いながら、
「これから、どんな練習をしていけばいいのか?」
を一緒に考える「作戦会議」の時間です。
クラシックを長く勉強してきた方から、
「今までやってきたことは、ポップスにも活かせるんですね!」
「自分でもアレンジに挑戦してみたいです!」
と言っていただくこともあります。
クラシックで身につけてきたことを捨てる必要はありません。
そこに、コードやリズム、アレンジという新しい考え方を加えていけばいいのです。
「どうやって?」「私の場合は、どうなんだろう?」
そう思われたら、作戦会議がおすすめです!


