絶対音感がなくても耳コピできる!コードを覚えたのに弾けない人のための練習法

楽譜なしで弾きたいと思ってコードを覚えたものの、
「なんだかカッコよくならない」
「自由に弾ける気がしない」
そんな経験はありませんか?
私自身も「自由に弾くためにはコードだ!」と気づいてコードを勉強したものの、
なんだか違う…と感じた一人です。
ボイシングやバッキングのパターン、理論、即興、リズムトレーニング、いろいろ勉強してやっと今に至るわけですが、実はそれぞれは別物ではありませんでした。
どの学びも間違ってはいなかったのですが、1つずつ別物として捉えてしまっていたために、かなり遠回りになってしまったのです。
私はバスケットボール観戦が趣味なのですが、バスケに例えると非常にわかりやすいです。
バスケには、ドリブル、パス、シュートなどさまざまな練習がありますよね。しかし、これらは実際の試合で単独で存在するわけではありません。すべてが連動し、関わり合っています。
音楽もまったく同じです。よく「自由に弾くなら理論は不要では?」と思われがちですが、それは理論が「知識」のままで止まっているから。
コード(コード進行)を感覚と理論の両面から理解し、自分の身体に落とし込んで「使えるアイテム」にする方法を、動画付きで詳しく解説します!
目次
意味のある「コード練習法」とは?
ピアノのコード練習というと、ダイアトニックコードを1度から7度まで順番に弾く練習をされている方が多いのですが、実際の曲でコードが順番に現れることは稀です。
重要なのは、特定の「キー(調)」という世界観の中で、そのコードがどんな役割(トニックやドミナントなど)を担っているかを意識することです。
好きな曲に出てくるコード進行のパターンを使いながら、コードの役割を意識し、「次にどこへ行きたいか」をイメージし、頭の中で鳴らしながら練習を進めていきます。こうして音楽の形を身体に覚え込ませ、使える状態にしていくのです。
コード進行の練習としてカデンツを練習される方も多いと思いますが、これも楽譜を見て弾くのではなく、コードの役割と進み方を意識しながら練習することが大切です。
「Bm7♭5」と「Bdim7」は別のコード
コード理論、特に4和音を学ぶ際に多くの人が混同しがちなのが「マイナーセブンフラットファイブ(m7♭5)」と「ディミニッシュセブン(dim7)」です。クラシックの教則本ではしばしば同一視して書かれていますが、ポップスやジャズの文脈ではこれらを明確に区別する必要があります。
実は、クラシックの曲でも教則本の説明が不十分なだけで、曲の流れを見ると別物として扱われている場合が多いのです。
3音構成(トライアド)の状態では同じ響きですが、4つ目の音が加わるとその性質はまったく別物になります。
- Bm7♭5:7番目の音が「ラ」で、ハ長調(key-C)のダイアトニックコード
- Bdim7:7番目の音がさらに半音下がり「ラ♭」となる、ハ長調にはない音を含む「ノンダイアトニックコード」
このたった1音の差が、次に曲がどこへ進むかという「機能」を決定づけます。Bdim7のような「そのキーではない」音が入ることで、曲により強い緊張感が生まれるのです。
耳コピの秘訣は「脳内再生」にあり ― 内的聴覚の重要性
耳コピができるようになるために不可欠な能力、それが「内的聴覚」です。これは、実際に楽器で音を出す前に、頭の中でその響きを鮮明に再生する力のこと。
耳コピの練習というと、聴いたものをすぐに歌ったり弾いたりする人が多いですが、本当に重要なのは「声を出す前、ピアノを鳴らす前に、まず頭の中で音を鳴らす」ことです。このステップを繰り返すことで、耳コピの精度は劇的に上がります。
「気をつけ、礼」の感覚を理論に結びつける
誰もが知っている「気をつけ → 礼 → 気をつけ(ジャーン・ジャーン・ジャーン)」の動き。実はこの「礼 → 気をつけ」のコード進行こそが、Ⅴ7-Ⅰ(ドミナントモーション)です。
【耳コピの練習順】
すでに身体が知っている「礼 → 気をつけ」の感覚を思い浮かべる
それがⅤ7-Ⅰの動きだと頭(理論)で結びつける
次にその響きを聴いたとき、「礼 → 気をつけ(Ⅴ7-Ⅰ)」をイメージする
ピアノは同時に複数の音を奏でる楽器ですが、人間の歌声は一度に一つしか出せません。弾き語りのように伴奏とメロディを両立させるためにも、頭の中で同時に音を鳴らす訓練をしていきましょう。

コードに「感情」を吹き込む― 代理和音とノンダイアトニック
単純なコード進行をちょっと素敵に変えたい、そんな時に知っておきたいのが「代理和音」と「ノンダイアトニックコード」の活用です。
例えば『大きな古時計』では、本来F(Ⅳ)を使う場面を、よく似た響きを持つDm(Ⅱm)という代理和音に置き換えてみます。さらに、そのDmへ向かうエネルギーを強めるために、手前に「A7」を挿入します。
A7は本来その調にはない音を含むノンダイアトニックコードですが、これを入れることで音が次へ向かう力が生まれ、その場所に特別感が生まれるのです。
理論を知ることは、単なる暗記ではありません。自分の演奏で「○○を表現したい」と思った時に、何を使うかという「表現の選択肢」を増やすことなのです。
ピアノを「ギターのように」響かせるリズムの新常識
バンドでギターがやっていることをピアノで真似すると「なんだか変…」となったこと、ありませんか?
実は、ギターがやっていることをそのまま真似してもうまくいきません。違う楽器なのですから当然です。大切なのは、ギターがやっている通りにではなく、「そのように聞こえる」ピアノの弾き方を考えることです。そのために、あえて音を外す、あえて音を加えるといった工夫も必要になります。
また、「ギタリスト的アプローチ」も重要です。通常のピアノ奏法ではしっかり鍵盤を叩こうとしがちですが、あえてギタリストのダウン・アップストロークのような軽やかな感覚を取り入れます。具体的には、ゴーストノートを加える、和音で弾いていたところを単音にする、といった工夫です。
「響き」を身体で覚えよう
自由な演奏を手に入れるために最も大切なのは、コード進行を「3625」や「1625」といった数字の羅列として暗記するのではなく、その「響きの流れ」を体に入れ込むことです。
最も効果的な方法は「ベースラインを歌うこと」。
例えば「1625」であれば、「ド・ラ・レ・ソ」と口ずさみながらコードを弾いてみてください。このとき、楽譜やコード名を見て機械的に歌うのではなく、「次の音のイメージ」を頭のなかで先に響かせてから歌うのがコツです。ベースの動きとともに響きを体感することで、知識が確かな「感覚」へと変わっていきます。
楽譜に書いてあるから弾くのではなく、頭のなかで次の音が鳴り、次の音が見えてくる――そうなると、ピアノはもっと何倍も楽しくなりますよ!
耳コピして自由に弾くには?
理論を学び、コード進行を身体で覚えることで、耳コピはずっと楽にできるようになります。また、音楽が進んでいく方向がわかることで、表現も豊かになっていくでしょう。
楽譜に書いてあるから弾くのではなく、頭の中で次の音が鳴ってくる、次の音が見えてくる。そうなったら、どんなに楽しいでしょうか。
「体で覚える、なんとなくわかったけど、耳コピできるようになるには実際にどんなトレーニングをすればいいの?」
「理論が大事って言われても、何から始めれば?」
そんな方には、無料相談(Zoom・30分)がおすすめです。
「あと何が足りないのか、まずは何をすれば良いのか」を一緒に整理します。
「ずっとモヤモヤしていたことが、話しているうちにスッキリした」
「耳コピできないと思ってたけど、できそうな気がしてきた!」
こんな声をいただいています。ちょっとしたヒントが見えるだけで、次の練習がガラッと変わります。「私はこれをやればいいんだ」が見つかる30分です。ぜひ一度お話ししましょう。

