理論で耳コピはできる|『チェリー/スピッツ』で学ぶカノン進行
理論を学んで耳コピをマスターしよう

目次
耳コピは才能じゃない
〜『チェリー/スピッツ』で学ぶコード進行〜
「耳コピができるのは、絶対音感がある人だけ」
そんなふうに思っていませんか?
耳コピに悩む方の多くは、
音をひとつひとつ追いかけて、なんとか拾おうとしています。
でも実は、
もっとシンプルに耳コピできるようになる方法があります。
それが「音楽理論」を学ぶことです。
私自身も、絶対音感はありません。
それでも耳コピができるようになったのは、
理論を知ったことが大きなきっかけでした。
音楽理論は、
暗い森の中を進むための「地図」であり「コンパス」です。
闇雲に進むのではなく、
手がかりをもとに音楽を理解するためのもの。
今回は、ポップスの定番進行「カノン進行」を使った
『チェリー/スピッツ』を例に、
👉 コード分析
👉 耳コピに繋げる考え方
を解説しています。
『チェリー』はカノン進行の教科書
スピッツの『チェリー』が長く愛されている理由のひとつは、
パッフェルベルのカノンに由来する
「カノン進行」の美しさです。
Aメロの8小節は、キーこそ違えど
ほぼそのままこの進行になっています。
👉 1 — 5 — 6 — 3 — 4 — 1 — 4 — 5
(例:C — G — Am — Em — F — C — F — G)
ポップスでは、この進行にアレンジを加えることが多いのですが、
『チェリー』はあえて王道をストレートに使っています。
さらにサビでは、
👉 6 — 5 — 4 — 1
👉 6 — 3 — 4 — 1
といった流れが使われ、
少し切なさを感じる響きになっています。
この「王道+変化」のバランスが、
この曲の魅力です。
代理和音:役割は同じ、でも響きが違う
『チェリー』の深みを支えているのが「代理和音」です。
音楽は主に3つの役割でできています。
- Ⅰ(トニック)
- Ⅳ(サブドミナント)
- Ⅴ(ドミナント)
この役割を保ったまま、
別のコードで置き換えるのが代理和音です。
例:
- Ⅰの代理 → Ⅲm、Ⅵm
- Ⅳの代理 → Ⅱm
- Ⅴ7の代理 → Ⅶm♭5
つまり、
👉 機能は同じ
👉 でも響き(色)が違う
ということです。
※注意
Ⅲm(Em7)はⅤ7(G7)と音が似ていますが、
機能が違うため代理和音ではありません。
ただし、入れ替えて使うことはよくあります。
トライトーンが生む「解決したい力」
代理和音を理解するうえで重要なのが
「トライトーン(三全音)」です。
例えばG7の中にある
👉 シ と ファ
この2音がトライトーンを作り、
強い緊張感を生みます。
この響きは
👉 「早く1(ド)に戻りたい!」
という力を持っています。
Ⅴ7とⅦm♭5が似た働きをするのは、
このトライトーンを共有しているからです。
耳コピ力を上げる練習法:数字で歌う
理論を「使える力」に変えるには、
トレーニングが必要です。
おすすめは
👉 コードを数字で歌うこと
です。
例えばカノン進行なら
👉 1 — 5 — 6 — 3 — 4 — 1 — 4 — 5
これを声に出して色々なピッチの音から歌います。
ポイントは、
- 1つずつがなんの音かは関係ない
- とにかく「流れ」を感じる
こと。
これによって「内的聴覚」が育ちます。
内的聴覚とは、
👉 音が鳴っていなくても、頭の中で音を感じられる力
のことです。
理論を知ることで
👉 次に来る音が予測できる
👉 流れとして音楽を捉えられる
ようになります。
カノン進行に隠れた“ライン”を聴く
カノン進行には、もう一つ大事な要素があります。
それが
👉 「ド → シ → ラ → ソ → ファ → ミ → ファ → ソ」
という下降ラインです。
これは和音のトップノートとして使われることも多いのですが、
ポップスでは
ベースラインとして使われることも多く、
👉 分数コードの理解
👉 ベースの耳コピ
にも繋がります。
音楽の「解像度」を上げる
音楽理論を学ぶということは、
音楽の「解像度」を上げることです。
これまで「なんとなく良い」と感じていた音が、
👉 理由を持って理解できる
👉 予測できる
👉 再現できる
ようになります。
それが、耳コピができるようになる本質です。
次回予告
次回は、『チェリー』のもう一つのポイント
👉 16ビート・シャッフルのリズム
👉 バッキングの作り方
についてお話しします。
もし、
・理論はわかったけど弾けるようにならない
・コード進行になると止まってしまう
・耳コピをやってみたいけどやり方がわからない
という場合は、
一度「今の状態」を整理してみると早いです。

